11月 下旬 里山の恵みに感謝する収穫祭を開催しました。当日は穏やかな晴天にも恵まれ、百名を超える人々が楽しく集いました。
下の写真はその折の一風景です。つるし柿を作るための作業をしているところです。里山の風情らしい場面です。
では、渋柿はどうして甘くなるのでしょうか?
柿の渋味の素は「カキタンニン」というポリフエノールの仲間です。水に溶けやすく、唾液に溶けて舌の味覚が刺激されて「渋い」になります。
ところが、タンニンは何か他の物質とくっつくと水に溶けないタンニンに変わるのです。収穫祭では、焼酎(エタノールを含む)に渋柿を浸けました。エタノールは空気中の酸素と結びついて、アセトアルデヒトという物質に変わります。
タンニンはこのアセトアルデヒトと結びついて、水に溶けないタンニンに変わります。タンニンはなくなったのではありません。
エタノールやドライアイスを利用する方法では皮をむかなくてもかまいませんが、干し柿にするときは必ず皮をむいてください。
何故かって?表面に酸素を通しにくい皮膜ができて、柿の実が呼吸できなくなります。そのため柿の実にアセトアルデヒドが溜まり、それにタンニンがくっつき、渋味を感じなくなるのです。
正月には、こんなになっていました。
この渋柿を食べた人の叫び声
「タンニンがアセトアルデヒドにくっついたあ!」